20人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
こうしてミゲルたちの恋愛を上手く成就させた僕は、油断をしていた。
いい事をしたようないい気分になっていたからかもしれない。
いや、それはどうでもいい。
まさか、ミゲル達の恋が叶ったお礼として、レナードがあんなものを……。
それは僕がレナードと、コンテストが上手くいって大騒ぎのパーティが終わり、ほろ酔い気分で城に帰ってきた時の出来事だった。
カチャリ
レナードが部屋の鍵を閉めた。
それは僕を襲う合図だと僕は知っていたが、いつもの事なのでそれほど僕は気にしていなかった。
だが……すぐに、何かがおかしいと気付く。
「レナード、その紙袋は何かな?」
「ヒロに着せるためのメイド服を今日もらってきた」
「つまり?」
「今日はメイドプレイだ」
「い、嫌だよそんな……」
「ご主人様とメイドプレイがしたい」
「も、もっと嫌だ! な、なんで……うう……」
「駄目なのか? 俺も頑張ってミゲルを推薦したりしたのに。ここしばらく仕事も頑張ったのに。なのにヒロはそんな俺のお願いは聞いてくれないのか?」
そう、僕を責めるようにお願いをしてくる。
こういう風に悲しそうにお願いをされると僕は、僕は……だがここで抵抗しなければメイドプレイでご主人様とレナードを呼んでしまわなくてはいけない展開に……でもレナードが……。
といった葛藤をしばし繰り返した僕は、僕の手を握って言われてしまうともう駄目だった。
仕方がないので僕はその、ミニスカートのメイド服を着る羽目になってしまったのだった。
ミニスカートのメイド服には黒いニーソがついていた、
どうせベッドの上なので靴は履かずに着替えてから、着替えた後の状態を楽しみたいと背を向けているレナードに、
「き、着替えたけれどどうかな」
「……なるほど、分かった」
「? 何が?」
「ヒロは何を着ても可愛い!」
最初のコメントを投稿しよう!