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「分かってます」
「だったら・・・。どう考えたって、この仕事を続けていた方が死ぬまでに稼ぐ金額の方が高いんだぞ」
「分かってます。もう、それ以上言わないで下さい」
男は上司のセリフを振り切って、本当に辞めてしまった。
それからすぐに起業した。
といっても上司の言った通り、最初は少しも仕事がない。
どれだけ頭を下げて営業を回っても、そう簡単に任せてくれるところなんてなかった。
貯めていた金は減っていくばかりで、入ってくる金はほとんどない。
それでも男は一生懸命働いた。
何度も同じ会社に足を運ぶ努力を怠らなかった。
あまりの気真面目な態度に、この人物なら大丈夫だろうということで少しずつ仕事を任せてもらえるようになっていった。
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