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それでも会社は一進一退。
いい時もあれば、売り上げが落ち込む時もある。
だが、男はめげずにさらに働き続けた。
依頼先からこれまで以上に信用してもらえるようにと、もう上がないというくらい丁寧に仕事をやった。
そして努力は報われた。
男の仕事は安定し始め、上昇カーブを描き始めていた。
「これでやっと安定する」
一息つき、これからというところで男の足元が急に揺らいだ。
業界が不況に陥ったのだった。
そのせいで、仕事相手も経営が苦しくなり、男への依頼が減った。
「どうやってこの事態を切り抜ければいいんだ?」
せっかくここまで一人でやってきたのに。
また不安定な生活をしなければいけないなんてごめんだ。
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