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でもそんなことは言えないから、ひなチャンに変な虫がつかないよう出来る限りの努力はした。部活の休みの日にはなるべく映画に連れて行ったり、勉強を見てやったり。受験で忙しくなった時は、ひなチャンの友だちに声かけて連れ出してもらった。
それでも限界はあったようで、気が付いたらひなチャンに彼女が出来ていた。同じクラスの女子だと嬉しそうに報告に来たひなチャン。俺の気持ちも知らないで。
え、ひなチャンが女とキスすんの、セックスすんの?そう考えただけでくらくらした。どうにかして別れさせるそう誓った。
何とか別れさせる方法はないかと画策していたら、いつの間にか彼女と別れたと言う。
「どうした?フラれたか?」
「かっちゃん、それ言わないでよ。俺、そんなにお子様?ガキっぽいって言われた」
ため息をつきながら、俺の部屋にまた入り浸るようになったときは小躍りして喜んだ。さて、どう攻略してやろうかと毎日わくわくどきどき。
さりげなく手を触ってみても、にこにことしている。さりげなぁく、さりげなく体にタッチしても、満面の笑みで猫の様にすり寄ってくる。無邪気って時には、残酷なんだと知ったよね。
春になったら大学でひなチャンとは離れちゃう。その前に何とかしなくちゃいけない。
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