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取り敢えず、メールに返信しようとして指が止まった。「告られた」って言って良いのかどうなのか分からない。いや、駄目だろ俺。それ言ってどうすんだ。
「おー、羨ましいな。今度は行くわ」
絵文字もつけずにそれだけ送ってやった。シュウイチ察しろ、これで。まあ、あいつには無理だろうけれど。携帯をベッドに放り投げて、手を組んでその上に頭を置いて寝転んだ。音を立てて携帯が鳴る、シュウイチからの返信だ。
明日でもいいと思ったけれど、どうせ眠れないからと画面を開いた。
「だろ?じゃあ、明日プールいこうぜ。へへ」
この「へへ」ってもしかして何かオリジナルの絵文字のつもりか?明日って……面倒くさい。よし、放置することに決めた。ところが、その五分後今度は電話の着信があった。シュウイチのやつ、しつこいなと思って思いっきり不機嫌な声出して電話に出てやった。
「はい、何?」
「あれ?ひなチャン、ご機嫌斜めだなあ。明日、海連れて行くからね。しっかり寝てて、また明日な」
かっちゃんと海に行く。明日ね、明日。なんだか緊張してきたぞ、これ眠れないやつだ。まずいと思って目を取り敢えずつぶったら、朝になっていた。
あれ?普通に寝てたじゃん。
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