海辺で急接近

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 二人きりは緊張すると思っていたけれど、誰か来ると聞いて本当にがっかりした。なぜ、がっかりしたのかは分からないけれど。  しばらくしてがやがやと入ってきたのは、五人の男女。女性が二人に男性が三人、みんなとても親しそうにかっちゃんに話しかける、ここ俺は場違いじゃない?  「お、その子が例の子か?」  そう言って一人の大学生が、かっちゃんの耳元で何かを囁いていた。なんだあいつ、なんでそんなに近づいてるんだと腹が立った。  「かっちゃん」  ぐいっと、かっちゃんの袖をひっぱった。  「ん?一人前に妬いてるのか」  そう言ってぽんぽんとその嫌な男に頭を撫でられた。子ども扱いされたと頭に来て手を思いっきり払ってやった。  「ひなチャン、どうかした?」  かっちゃんは余裕の笑みでこっちを見ている。明らかに俺がアウェイだ。すぐに賑やかにバーベキューが庭で始まり、自己紹介からスターとした。  「陽向、俺の従弟」  従弟?そうだけど、なんだか釈然としない。どこをどうしたら、昨日からの流れで今日は和気藹々と知らない人たちとバーベキューになったのだろう。  「どうした?つまらない?」  かっちゃんが心配そうに顔を覗き込んだ。つまらないという事はない、けれど面白くもない。何が面白くないって、かっちゃんにやたらと触るやつが一人いる事が気に入らない。     
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