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ん?よく考えてみたらこのバランスおかしい。明らかにカップルが二組に……男が三人あぶれている。
「ねえ、そこの人」
そのべたべた触る徳永と言う男に声をかけた。
「なに?陽向ちゃん。さっき自己紹介したよね?頭悪くて覚えられない?」
ほらとげがある、それも鋼鉄製の尖ったやつだ。
「徳永さん、かっちゃんから離れてくれませんか?」
「何の権利があって、従弟君にそんなことを言われなきゃいけないのかな」
かなり頭にきた。こいつきっとかっちゃんのことが好きなんだ。別に誰がかっちゃんを好きでも構わないけど。
あれ?俺は、本当に構わないのかな?何でこんなに腹が立つんだろう。
「権利ってか、変ですよそんなにベタベタと」
「んー?お子様には分からない大人の事情ってのがあるのよ」
含み笑いが鼻につく、こいつは俺の中の区分けでは最低ランクに位置づけられることに決定した。
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