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最終章
ひなチャンが、大人の階段を上るらしい。もちろん水先案内人は他の人に任せるわけにはいかない。大人しく後をついて歩いてくるひなチャンは、緊張して右手と右足が同時に出ている。
可愛いな……ってか、硬くするのは一ヶ所でいいのにね。
部屋の扉を閉めるとそっとそばに寄り抱きしめてみる。うん、大丈夫。
「ひなチャンからキスしてくれなきゃね?」
「うぅんっ」
ごつっと顔がぶつかってきた。あれ?まさか……。
「ひなチャン、彼女いたよね?まさかとは思うけれど……ファーストキスって?」
「こっ、この前のかっちゃんが初めてだから」
顔は決して悪くない、運動だって出来る。頭の出来は中の中くらいだけれど。それなのに彼女とキスもしたことない奥手って?
おかしくって吹き出してしまった。そしたら勢いついたひなチャンに、どぉんとベッドに押し倒された。
「えっ?」
おお、男らしいところもあると感心した時、ひなチャンが真っ赤な顔して泣きそうになった。
「かっちゃん、俺っ、俺。そのっ、こっから、やり方わかんないっ!」
拍子抜けってか、もう気持ちも萎えてしまった。まあ、長い目で成長するのを待つしかないよねと可笑しくて声を立てて笑った。
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