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「惜しいね、あと一歩。さて、ドライブにでも行こうか?」
「行く、行くっ」
ひなチャンはいつも、後をついてくる小さくて可愛い従弟……中学に上がった時、ぶかぶかの新しい制服を着て、玄関でにこにこしている姿に、小さい弟が少しだけ成長したようで嬉しかった。
その三年後、俺と同じ高校の制服を身に着けたひなチャンはいつの間にか、俺よりでかくなっていて小さい弟じゃなくなっていた。それでも俺にとっては可愛いひなチャンに変わりはない。
「ひやあ、ここ夜来ると風景全く違うんだね、今まで来たことないや」
「だろ?ここから街を見下ろすと綺麗なんだよ、知ってる?」
「だから、来たことないってば」
けらけらと笑いながら、俺に手を引かれていると言う事実に気が付いていないひなチャン。どこへ連れて行っても喜んでくれる可愛い子、だけどもう立派な大人のようななりをしている。
「さて、もう一度質問です、なぜ今日は食事をしてドライブまでしているのでしょうか?」
「え、かっちゃんの秘密を誰にも言わないってこと?……だけじゃないんだよね?」
「二人の秘密を誰にも言わない事だよ」
そう伝えて、可愛いひなチャンの口に軽くキスをした。ひなチャンは驚いて氷像のようにカチコチになってしまった。
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