プロローグ

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「で?何であの時、泣いたんだ?」 答えを知ってるのに聞いてるみたいに意地悪く笑う。 目の前には第一印象最悪の彼。 「え?いや……それは、そのぉ……」 目が泳ぐ。 「まあ、最終日だから、感極まって……です、かね?」 はははと乾いた笑いで誤魔化す私。 まさか、ここで再会するとは思わなかった。 良かったぁ告白しなくて……と安堵する。 振られて新しい職場で毎日顔を会わすとか、絶対に無いから。 「まあ、今日からまたよろしくな」 屈託なく笑う彼が手を差し出してきた。 ぎゅっと握るその手が、男の人の手でドキドキした。
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