6  聞きたいこと、言えないこと

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大急ぎで隣のエレベーターを呼び出して、到着するなりドアをこじ開けるように無理矢理乗り込む。 開発部のある二十三階を押すと閉じるボタンを連打した。 早くっ急げっ。 彼女のその言葉が幻ではないのかと、一秒でも早く彼女の元へ飛んで行って確かめたい。 田野倉さんの事が……に続く言葉何てきっと一つしかない。 そうであってくれと、胸の内で苛立ちながら神頼みしていた。
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