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私の事、気にして戻ってきてくれたとか?
耳をそばだてながら、一瞬期待でときめいた目をぎゅっと瞑った。
彼女持ちが戻ってきちゃダメだよ、田野倉さん。
変なとこで優しいんだから。
期待させないで。余計悲しいよ……。
優しいの分かるからこそ、そこに付け込むわけにはいかなかった。
「……リ!……ダマリ?居ないのか?おい!出てこい、オダマリ!居るんだろ?」
彼の声がだんだんと怒ってくる。
ダメ、今見つかっちゃ……。
田野倉さんの事が……に続く「好き」なんて言葉を、恋人のいる彼に言えるわけもないのに。
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