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立たせたまでは良かったが、何を話せば良いのか分からずに頭を掻いた。
「で?……俺の事が……何?」
結局単刀直入。
「……いえ……すみません。何でも、無いんです……」
その様子で何でもないとか、無いだろ。
つい、俺の大きなため息が漏れ出た。
「すみません。本当に何でも……ないですから。……私も忘れ物取ってきたらすぐに……帰ります。お疲れ様でした……」
浅く会釈した彼女の声が言葉を紡ぐ毎に湿っていく。
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