1章 神さまとの出会い

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1章 神さまとの出会い

 昼休み。  いつものように涼太、朔、悟の3人が、俺の席へと集まってくれる。  昼食を終えると、朔と悟はすぐさまスマホに目を向けた。 「ケイちゃん、ケイちゃん。俺の妹が教えてくれたんだけどさ。今、クラスでコックリさんってのが流行ってるんだって」  涼太は突然そんなことを言い出し、取り出したノートを1ページ引きちぎる。 「涼太の妹って、小学生だっけ」 「そうそう。今小5な」 「コックリさんって、すっげぇ昔に流行った遊びじゃない?」 「流行りは10年周期で回って来るんだよ」 「ホントかよ」 「でな。それやってみようぜ!」 「いや、小学5年生の女子と同じ遊びするっておかしいだろ。俺達もう高2なんだけど」 「高2男子が、女子の遊びしたらいけないんですかー?」 「普通に考えておかしくね?」 「まま、そこはいいじゃん? 妹と話すネタにもなるしさ」  歳の離れた妹だからか、涼太はかなり溺愛しているようだ。  同じ遊びをしなければ話すネタがないのかと思うと、少し同情する。  とくに興味はないが、他にやることもない。  梅雨という季節も相まって、ここ最近、ぼんやりすることも増えていた。  もちろん、他にも理由はあるけれど。     
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