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たまには、普段と違ったことをしてみるのもいい。
「やり方とか俺、知らないんだけど?」
「一応、軽く調べたんだけどさ。朔と悟も付き合ってくれるよな?」
すぐ近くで、スマホを弄っていた朔と悟が顔をあげる。
「え、なに? 聞いてなかった」
「付き合うとかなんとか……告白?」
「んなわけねぇし。コックリさんやるから付き合えよ」
涼太は紙に『50音』『はい』『いいえ』の文字、そして鳥居のマークを書き込む。
「10円、誰か持ってる?」
「涼太持ってねぇのかよ」
「さっきジュース買うのに使っちまったわ」
しょうがなく財布を確認すると、ちょうど10円が残っていた。
取り出し、涼太に差し出す。
「よーし。これでな、みんな人差し指置いて」
「涼太マジなに始めんの? ケイ、知ってる?」
「いや、知らね」
「知らないのになに付き合ってんだよ」
「朔もだろ」
悟は、右手の人差し指を10円に置いたまま、左手でスマホを操作し続ける。
どうやら、どうでもいいらしい。
「コックリさんコックリさん。おいでください! いらっしゃいましたら『はい』の方へ、お進みください」
俺達の戸惑いをよそに、涼太は1人コックリさんを始めた。
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