1章 神さまとの出会い

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 小学生の遊びというだけあって、真面目に取り組むのも少々気が引けるが、本気で嫌がるほどのものでもない。  どちらかといえば、この手のオカルトものには興味もある。  少しだけ、なにか期待している自分もいた。  朔と悟は、まあ涼太の我儘に付き合うか程度の気持ちだろう。  そのとき、ゆっくりと10円が動き出す。 「おお!? 動いた! ケイちゃん、朔、悟! 10円、動いてる! 『はい』だって!」 「あー、はいはい、動いたな」  朔と悟は適当に相槌を打つ。  どうせ誰かが気を使って動かしていると思っているのだろう。  だが俺は違った。  俺達の指の上から10円を押さえつける1本の手―― 「うわぁあああっ!!??」  俺は慌てて逃げるように手を引く。   勢い余って、後ろに椅子が傾いた。 「おいケイ、リアクション良すぎだろ」  朔が傾いた椅子を支えてくれたおかげで、なんとか倒れずに済む。 「動いたってなに? 動かしたの間違いでしょ」  悟はあいかわらずスマホに目を向けたまま。 「マジ、誰だよ、動かしたやつー」 「それがわからないから楽しいって遊びなんじゃねぇの?」 「え、なにそのくだらない遊び」  3人はなんでもないことのように盛り上がっているが、俺にはそれが理解出来なかった。  どうしてそんな風に笑っていられるのか。     
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