1章 神さまとの出会い

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「それじゃあ俺、帰るから」 「ちょ、ちょっと待ってください!」  狐もどきは、俺を引き止めるように目の前に飛び出してくる。 「あなた達が呼び出したんじゃないですか! ちゃんと責任持ってください!」 「俺達が呼び出した……?」  そういえばこの狐もどき、コックリさんをした直後に現れた。  ということは、こいつがコックリさん……ということか? 「コックリさんって、こんなかわいい狐だったんだな」 「か、かわいいだなんて、失礼ですよ! それは男の子に使う言葉ではありません!」 「お前、雄だったのか」 「雄って……低俗な動物みたいに言わないでください! 神さまなんですから!」 「神さまなのか!?」  狐もどきは、威張るように胸を張って見せる。  正直、かわいい以外の感想はない。 「あなた達は、神のお告げが聞きたくて、私を呼び出したのでしょう?」 「いや……」  涼太が妹と話すネタを作るためだと思う。  もしくは、ペットロスの俺を元気づけるための遊び。  そういえば、俺が飼っていた犬も、こんなもふもふの手をしていた。  つい、引き寄せられるように手を伸ばす。  だが、触れることはなく、すり抜けてしまった。 「うわっ!」  そうだ、こいつは宙に浮く狐では無い。     
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