1章 神さまとの出会い

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 どちらかといえば霊的な存在に近いものだろう。 「勝手に触ろうとして、勝手に驚かないでください」 「触れないんだな」 「人間が、神さまに触れるとでも思ったんですか?」 「まず神さまとは思えないからな」 「そんな態度なら、お告げしてあげませんよ!」  実は、お告げを求めていたわけではない。 「お告げはいいよ。目の保養になったし、それだけで充分。お前、かわいいし」 「もう! かわいいってなんですか!」  正直なところ、飼犬を思い出してしまうため、少し胸が締め付けられる。  それでも、やっぱり動物を目の前にして、癒されることは確かだ。 「明日もいるのか? ちょっと学校に来るのが楽しくなるな」 「も、もしかして私をここに1人残して帰るつもりですか?」 「……まあ、さすがに、学校には泊まれないからな」 「待ってください! 呼び出したくせに、おいていくなんて卑怯ですよ!」  卑怯呼ばわりされる覚えはないのだが、確かに勝手に呼び出したのは俺達なのかもしれない。  コックリさんを始めたのは涼太だが、涼太にはどうやらこの狐もどきは見えないらしいし、俺がどうにかするしかないのだろうか。  変な浮遊霊ならごめんだが、とにかく見た目はがかわいくてたまらない。     
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