お祭りと雪

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翌日 武虎「はっ!やっ!」 パシッパシッ アレンと武虎が庭で組手をしていた。 アレン「だいぶキレが良くなったヨ」 武虎「いや~まだまだっすよ」 アレン「コア使ってもいいヨ」 武虎「それぐらいしないと、師匠もつまらないですもんね!」 すると武虎の首元にある黄色いコアが光り出した。 光りがおさまると、武虎は虎の半獣の姿となった。 アレン「さぁ、来い」 武虎「ガルル…ガァッ!!」 アレン「これが本当の猛虎拳ネ」 パワーの跳ね上がった武虎はアレンに爪を振りかざした。 アレンはそれを軽く受け流し、素早く足を払いのけると武虎は上下反転して地面に頭から倒れ込んだ。 武虎「痛っ!」 アレン「力を使ってても、冷静さを失えば武術は生きないヨ。もっと修行する事ネ」 二人の手合わせが終わったところで、リビングからベルと空斗が庭に出てきた。 ベル「終わったのー?ちょっと、お祭り見に行こうよ」 武虎「でも、ライムもマムも今日は大人しくしてろって…」 空斗「たこせん食べたい」 ベル「だよね~。行かないなら、私たち二人で行ってくるよ~」 アレン「私も行くね。焼きそば食うネ」 武虎「師匠もすか…」 ライム「皆さん、勘違いしてるようですね」 二階の窓からライムが顔を出して言った。 ライム「皆さんが想像している祭とは違いますよ。今年の祭りはウエスト地区がメイン会場です。屋台は出ません」 ベル「えー。じゃあ何するの~?」 すると、ベランダに出てきたマムが言った。 マム「10年毎に会場が変わるのよ。メイン会場では白服隊がパレードを行うの。そこにアダムも参加するのよ」 ベル「ホーリー教の神の事ね~。アダムって言っても名前だけで実存しないじゃん」 ライム「アダムは存在しますよ。恐らく選ばれた白服隊員が名前を受け継いでいるんでしょう。相当なやり手ですよ」 マム「アダムは顔は出さないけどきっちりパレードに参加してるから、その護衛に白服隊がついてるの。行けば周りは敵しかいないんだから、行ってもいい事ないのよ」 08989e16-7bd8-4934-90b1-f5c3cb4e14a9
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