第一話

10/22
前へ
/197ページ
次へ
「あ、君の寝る場所がなかった……ごめん、ソファーしかないんだけど」  顔を上げた先で、翠の変わらない微笑みが返ってくる。 「睡眠という概念はありませんから、お気になさらないでください」 「寝ないってこと?」 「休息という意味でしたら、浄化がそれにあたります」  とりあえず納得するしかなかった。これ以上情報を詰め込まれたら、頭が興奮して眠れなくなってしまう。エメラルドの粒をベッドサイドに置いて、無理やりに瞼を下ろした。
/197ページ

最初のコメントを投稿しよう!

194人が本棚に入れています
本棚に追加