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彼女と出逢ったのは雨の日。 ーーーそして今日も雨。 薄暗い外に暖房の効いた誰もいない教室。あの日と同じで私は少し怖くなる。 目を伏せて冷たい窓に寄りかかる。そうすれば視界になにも入らないから。怖いものを見ることもない。 外から聞こえる雨音は私の不安を落ち着けてたまに聞こえる大きな雫が落ちる音がリズムを取っているようで私はその音に耳を凝らす。 そうしているうちに睡魔が襲ってきて私は寝てしまった。 起きた時にはもう彼女はいてなるべく音を立てずに作業をしていたようだった。起きた私に気がついた彼女だったが一瞥だけして声をかけることはない。 それが私には心地いい。 そうして私はまた意識を手放した。 2度目の起床で私はやっと動き始める。彼女はパソコン作業をやめ、私の方を向く。 「よく寝れた?」 「おかげさまで、よく寝れた」 私が寝てから約1時間。彼女が掛けてくれたタオルケットを畳んで私は立ち上がり、彼女の正面へ座る。目の前のノートパソコンを立ち上げ、彼女と同じように作業をしようとするがほとんど終わっていた。 「全部やっちゃったの?」 「まぁ、やる事ないし終わらしちゃった」 「じゃあ、私寝るだけにここにいたみたいじゃん」 立ち上げたノートパソコンをすぐさま閉じる私はなんなのか。目の前の彼女はそんな私を見てくすくすと笑う。 「拗ねないで。今日はそもそもほとんどやる事なかったのよ」 そう言って彼女はパソコンのシャットダウンを始め、終わると眼鏡を外した。 「嘘でしょ、それ」 「なんで?」 「え、なんとなく?」 「ははっ、なにそれ」 可笑しそうに笑う彼女につられて私も笑う。雨音はまだ響いてる。 「まぁ、作業も終わったし帰ろ」 「うん、帰ろうか」 バックを持って彼女は先に扉を開ける。冷たい空気が一気に入ってきて私は教室の暖房を消す。彼女と共に薄暗い廊下へ出て鍵を閉めて職員室へ歩く。 楽しそうに話す彼女に相槌をうちながら私は幸せを噛みしめる。 ーーーそんな何気無い1日。
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