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「黙祷を――」
まだ所々羽が刺さったままの
不気味なワイン色に染まった孔雀が
食卓にのぼったのはほんの数時間前のことだ。
僕らは銀食器に盛られた孔雀の為に
貴族のように正装して祈りを捧げた。
キャンドルを灯し厳かな空気の中で
「では――」
冬馬がナイフを入れたんだ。
ドロンと中からレバーのようなものが出た。
それでも僕らは紳士だ。
襟元に白いナプキンを引っ掻けると
涼しい顔して皿がサーブされるのを待った。
「さあ、どうぞ」
4つの皿を配り終えると
えもいわれぬ臭いがした。
だが僕らは互いをけん制するように
笑顔でナイフとフォークを手に取った。
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