75人が本棚に入れています
本棚に追加
「――では気を取り直して乾杯」
悪臭の消え去らぬキッチンから逃げ出し
大きなピザとワインと共に僕らはベッドルームに引き上げた。
「死んでしまった勇敢で好色な孔雀に」
チンと4つのグラスが重なる。
「孔雀の群れは1匹の雄に数匹の雌で成り立っているがここは違う」
「何が言いたい?」
由莉はあまり酒に強くないようで
トロンとした瞳でワイングラスを回しながら
ベッドの上でさえ学者然とした兄を見やった。
「雄が4匹だ」
僕が言うと
「果たしてそうか?」
羽枕の山に身を沈めながら
ハンサムな先生は言った。
最初のコメントを投稿しよう!