第11章

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「嬉しいこと言ってくれる」 冬馬は響也を手招きした。 響也は先生にご褒美をもらう生徒みたいに 頭を下げたままベッドの淵を這ってゆき 「あ……」 2人は何食わぬ顔で熱い抱擁を そして深いキスを交わした。 僕は伸びきったチーズピザを皿に戻し ピチャピチャと音を立てる 2人の淫猥なキスに見入った。 片方が舌先を伸ばすと 片方も応えるように赤い舌を伸ばして 互いの口内をいやらしく貪る様を。 「フフ……」 「ンッ……」 まるで弟たちに見せつけるように 時に流し目で様子を窺いながら繰り返す。 酔いも手伝って目を座らせた由莉が――。 次の瞬間 当然のように僕の方に手を伸ばした。
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