第11章

8/26
前へ
/26ページ
次へ
もはや拒む理由など何もなかった。 僕は兄を愛していたし 兄の不思議な友人達の事も心の底から欲していた。 彼らといることは新しい冒険であると同時に 僕に――いや僕ら兄弟に本来あるべき姿を取り戻させた。 「おいで――もっとおいで」 「ン……」 由莉は唇を重ねながら 僕を向かい合って膝の上に乗せ 胸元を飾るベルベッドのリボンを解いてゆく。 「開くよ、王子様」 「うん……」 プレゼントの包みを開くように それはそれは丁寧に時間をかけて。 「アア……」 僕の細い喉が露わになると ヴァンパイアのようななりした由莉は夢中で貪りついた。 「ンッ……!」 僕は両手をブロンドに差し込んで 喉元から首筋へ渡る甘い唇を受け入れた。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加