1 運も悪運も...

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「おはようございます」 とても良い綺麗な声で挨拶をしていた。 彼女は生活安全課で働いている巡査だが、ここの交番で今日から1ヶ月助っ人に駆り出されることになっていた。 「おはよう」 「すまんな音桜春(イロハ)。ここんところずっと誘拐事件が多発していてな。しかもA地区のここだけ...」 彼女と同じく助っ人に駆り出されていた、先輩が謝りながら申し訳無さそうに理由を言っている。 「先輩は悪くないので。これからもよろしくお願いします。」 音桜春は先輩を尊敬しているというふうな満面の笑みで答えたちょうどその時、A地区交番勤務の若い警官が裏から出てきた。 「あ!おはようございます。本日から1ヶ月助っ人に来ました。卯月(ウヅキ) 音桜春(イロハ)といいます!」 それを見つけた音桜春は人懐っこい笑顔であいさつをする。 「おはよう。音桜春の先輩である國田(クニダ)と言う。」 國田もそれに続きながら簡単なあいさつをする。 「おはようございます。ここ2ヶ月A地区交番で勤務の助っ人をしてる、松永(マツナガ) (アキ)です。詳しい話も聞いているとは思いますが一応俺からも説明しておきます。最近このA地区では、女性が誘拐されるという事件が多発しています。そして、その女性たちは未だ見つかっても、戻ってもきていません。」 少し困り顔と複雑な疲れたような顔で分かりやすく説明してくれる。 「それなのに、卯月さんがこちらで仕事をして大丈夫何でしょうか...。」 どうやら松永は、音桜春の事が心配だったようだ。 「はい!まあ、囮だと思って下さい!」 音桜春はそんなの全然御構い無しといったようなポジティブそうな笑顔で答えてみせた。
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