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満月の夜
満月の日の祭りの後
涼やかに街灯の光を受けてはなびく貴女の髪の
買い込んだお土産の数々を詰め込んだレジ袋の
歩く度にゆらりと揺らぐ蜃気楼のような浴衣の儚さの
すべてに体が震え、思わず喉を震わせる
狼男を愛してくれた
貴女のために私は死にます
このままだと私は
兎の貴女を食らってしまう
ーーそんな狼男の悲しみに胸を染めた兎は
狼男の代わりに天に昇りました
彼が好きだった餅を永久につき続けるその因果に
狼は満月の夜、遠吠えをするのです
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