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噛んだところを舌でなぞられて、腰が砕ける。逃げようとするのに、力が入らないのと辰之介に腕を捕らわれているのとで、抵抗は虚しく空に消えた。
「んっ……んう」
中を犯そうかというほどの、深い口づけ。温かくて安心するのに、その味はどこまでも官能的だ。辰之介は、口づけに溺れて首にすがる千鶴を優しく横たえた。
「……っは……綺麗だ、千鶴」
覆いかぶさりながら耳元でそう囁く辰之介は、千鶴の下着を解いて、ついにずっと張り詰めていた下腹へ手を伸ばした。
「ひ、あぁっ」
期待していた刺激に、体は弓なりになって悦ぶ。他人に弄られたことなどないし、自慰の経験も少ないそこは、辰之介の指に絡められてすぐに蜜をこぼした。
「やっあ、あっあっあ、だめ、や、でるっ」
自らの体液をぬるぬると擦り付けられて、手のひらで揉まれるようにされると、瞬く間に上り詰めるような気持ちになった。しかし千鶴が出ると言った途端に辰之介の手は緩み、ゆったりと撫でるような動きに変わってしまう。
意地悪い響きを含んだ辰之介の声が、快感に揺れる意識の外から聞こえてくる。
「そういうときは、いくって言うんだ。ほら」
その言葉を皮切りに辰之介の指が一層動きを強くして、千鶴は身悶えた。
「い、んあぁ……いく、んうう」
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