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こんな自分は知らない。知らないのに、体はどんどん熱を持って、頭まで真っ白になりそうだ。それが怖くて、千鶴は辰之介にすがりつきながら、教えられたばかりの言葉を繰り返した。
「だめだめ、やっ、いっちゃ、う、いっちゃうっ、ああっ」
あっけなく射精した千鶴は、勝手に力が抜けていく感覚に戸惑いながら身を任せた。びくびくと精を放つそれを見て満足げな、しかしまだ飢えたような表情の辰之介が見える。
「は……うぅ、ね、辰……」
自分の思ったよりも甘えた声が出て驚くが、それよりも目の前の男に何かしてやりたくて体が疼いた。
「辰、おれも……する」
ふわふわとした倦怠感に包まれた体をなんとか起こし、辰之介を座らせる。よく目立ってしまっている、固く張ってつらそうなそこがかわいそうで、思わず顔を近づけて頬ずりした。
「おいっ……」
焦る辰之介がかわいらしい。そう思って覚束ない手で下着を外してやると、いきり立った性器が現れた。
もっと顔を近づけてみると、不思議な匂いと熱が空気を通して伝わってきた。美味そうな匂いとは言い難いはずなのになぜか気になって、恐る恐る口付けて、ちろりと舐める。
「っ……」
辰之介が息を呑んだ。
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