泣き虫の鶴が檻から飛び立つとき

4章

反応を返されることが嬉しくて、小さな口で幹を食むように刺激していく。舌に触れる感覚は皮膚のそれとは違って、柔らかい皮の向こうにがちがちに固く熱い何かがあった。それに口付ける度に辰之介の体は少し弾み、息が上がっていくのを感じる。
自分の行為で翻弄される辰之介の、なんと愛しいことだろう。性器の少し濡れている先端に、かぷりと噛み付くようにしてくわえた。
「はっ……ちづ、る」
千鶴の口には少し大きすぎて、顎が外れそうだ。懸命に舌を動かして、気持ち良くなるように務める。口に広がる味は変に塩からい。
髪に手を差し入れられ、震える手で撫でられる。
「ごめん、少し、乱暴にさせてくれっ……」
言い終わるか言い終わらないかのうちに、頭を掴まれて口に性器を突き入れられる。辰之介が腰を振るたび少し苦しいのに、それ以上に上顎を先端で擦られるのがたまらなくて、息苦しさと快感でわけがわからなくなる。
「ふっ、ううっ、んっ」
口の中でぐぐっと性器が大きくなり、弾けた。口いっぱいに広がった精液はあまりに多すぎて、千鶴は飲み込むことができずに口の端から少しこぼしてしまう。
「ん、うえ……」
頭がぼうっとする。苦くてしょっぱくて、先走りよりずっと変な味なのに、水飴みたいに甘くも感じる。味を舌で感じれば感じるほど、さっき果てたばかりの千鶴の性器はまた疼いて、体温が上がっていく。