終章

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「やっぱり、変だった?」 「……いじ、わるい」 咎めるように言うのに、辰之介はますます楽しげに笑んでまた口付けた。 舌で口を犯されながら胸も弄られて、甘い声が止めどなく出てしまう。 「ん、むぅ………んあっ」 空いていた手がいつの間にか千鶴の帯を解いていたらしい。薄い腹が外気に触れて、少し鳥肌が立った。 先走りで濡れてしまった下着も少し冷たい。それに恥ずかしげもなく主張して、漏らしてしまったみたいに濡れそぼるそこを見つかってしまうのがいやで、下腹を辰之介の視線から隠そうと、辰之介の首に回していた腕をぎゅうときつくする。 しかしそれを逆手に取った辰之介に、密着した首筋をがぶりと噛まれてまた体が跳ねた。 「やっ! だめ、噛むの、だめえっ」 舌が噛み跡をなぞるたびに力が入らなくなって、ついに背中を辰之介に支えられているだけになってしまった。仰け反るみたいになった体を、布団の上へ優しく倒される。 襟巻は項を噛まれると反応してしまうと辰之介に教えられたが、そこ以外を噛まれても感じてしまうのは、襟巻の性だろうか。ぽやりとそんなことを考えていた頭は、下腹を触られた驚きに塗りつぶされた。 「んあっ! やっ、んっんっあっ」 既に緩まっていた下着の隙間から侵入してきた指は、立ち上がってしまった千鶴の性器をゆるゆると撫でる。 「……もう濡れてるな。胸、そんなに快かったか?」 「き、かないで………っ」 なんなんだ、さっきからねっとりと、意地悪なことばかり聞く。千鶴の顔は火をふくように熱いが、恥ずかしさばかりでなく下腹からあがってくる刺激のせいでもある。 辰之介の指は、ゆったりと動いて千鶴を責める。気持ちいいのに、急激に上り詰めさせられる感じがなくて、千鶴はもどかしさに身悶えた。 どうしようもなくて、必死の覚悟で、しかし消え入るようなか細い声で訴える。 「……ね、もっと……つよくして」 たしかに聞こえているはずなのに、辰之介はゆるい刺激をやめようとしない。 そして、泣きそうになる千鶴の?に接吻する。 「ごめんな、聞いてやれない……けど、今日は、こっちでしてもいいか……?」
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