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千鶴の呼吸に合わせて、性器がゆっくりと動く。抽送に合わせて浅く息をすると、少し楽になって、辰之介の動きも早くなった。
「んっ、ふううっ」
ゆるい動きは優しく千鶴を高めてゆくのに、なんだか物足りない感じがする。
千鶴は辰之介の背中に手を回して懇願した。
「ね……おねがい、もっとつよく、して」
ぴたりと辰之介の動きが止まった。あさましすぎたかと一瞬ぞっとするが、すぐに辰之介の腰が激しく千鶴を揺さぶってなにも考えられなくなる。
「あっあ、はあっ、すご、い、あ、ああっ」
「お前……そんな言い方どこで覚えたんだよ……っ」
奥を抉られるたびに頭で火花が散る。がつがつと犯されたまま体をぐるんと反転させられて、千鶴はうつ伏せの形になった。
正面から突かれていたときとは違う、さらに奥のようなところまで侵入されて、開けっ放しになった口からは辰之介の動きに合わせて断続的に声が出る。
「あっ、あっあっあ、っはあっ」
顔も見えず、喋りもせずにただ吐息を漏らす辰之介と、ただそこだけが繋がっていて、熱い。
布団に顔を埋めて耐えていると、項に痛みが走った。
「やっ……いああっ!」
項を噛まれながら突かれる。快感の奔流が押し寄せて来て、辰之介が言っていた発情というものはこれなのかなと頭の端で思うのに、後ろからも快楽が襲ってくるからわけがわからなくなる。
「っく……出していいか? 出す、ぞ……」
「いいよっ……あ、いくっ、ああっ、あっあっあっ!」
熱いものが腹のなかで弾けた。
どくどくと波打つそれがだんだん大人しくなっていくのを体で感じて少し愛しくなると同時に寂しい。
辰之介が腰を引くとぬるりと抜けたそれがまた中を刺激して、上ずった声をあげた。
どちらからともなく手を伸ばして、額をこつんと合わせる。鼻と鼻がくっつくほどに近くで見つめ合うと、視線が濃密に絡み合って、気付けばまた口付けを交わしていた。
二人の口付けは、いつまでも続いていた。
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