私の上司の裏の顔

17/27
前へ
/140ページ
次へ
でも、正気このオヤジの相手は出来ない。 やっぱり隙をみて逃げよう。 でもどうやって…… そうだ。薬を飲ませれば…… 「何か飲みますか?」 「ああ。飲むよ。」 「水割りを。」 かき混ぜながら薬を手の中に隠した。 集中するあまり思ったより沈黙が続いた。 オヤジが背後に近づいていたのに気づかなかった。 「さやかちゃん?そんなに丁寧にやってくれるのかい?」 声をかけられ、薬を自分のジュースに落としてしまった。 「びっくりした。」 「どうして驚くんだい?」 「ううん。何でもない。大丈夫。」 二人ともテーブルに座り直したが、私は、睡眠薬を入れるはずだったウイスキーのグラスをついついじっと見つめてしまう。
/140ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加