11 《プレイヤー》

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11 《プレイヤー》

中間テストが無事に終わった。  私はテスト当日までの一週間かなり時間をかけて勉強した。四時二十分の早起きを継続し朝食の時間まで勉強を惜しまなかった。テスト期間中母は「ホタル、毎日早起きして頑張ってるわね」と言ってくれた。  最終日の二十日の金曜日、テストは午前中で終わった。私は部活は帰宅部だったからまっすぐ家へ帰った。  偶然にもこの日は母がノー残業で帰りが早く久しぶりに一緒に夕食をとった。母と夕食のテーブルを囲むのは何日ぶりだろう。  当然ながら話題はまず私の試験のことだった。 「これだけ頑張ったんだから手ごたえは十分だったんじゃない?」 「うーん、答案が帰ってこないとわからないけど手ごたえはあったと思うよ」  今日の夕食は私の大好きな、母の手作りハンバーグだった。これは母からの試験勉強のご褒美なのだろうか。私は普段夕食時はいつも一人なだけに母と一緒に食べるハンバーグの味は格別だった。  夕食を終えお腹がいっぱいになった私はゆっくり風呂に入った。左腕のリストカットとクジラ型の傷はほぼ治りかけていて包帯がとれて絆創膏だけになっていた。寝不足とテスト勉強の疲れがどっときて湯船でついうとうとしてしまった。風呂からあがったあとネットで《マスター》と連絡をとりたかったが睡魔に負けてそのまま寝床に入ってしまった。
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