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それから俺の娘は特別で、俺らはそれを守る「呪禁師」だって、ちょい前に宣告されてる。霊感青年のてつぽんから。コンサ直前に。
『つか、なんで来世なのに過去の記憶? って思うだろ? 来世ってのは、未来の時間帯にばっかなるわけじゃないんだって。君が生まれる前の、マイナーなアニメのテーマソング、二歳んときにもう歌ってたんだよね』
『あー、めっさこええ思いしたっつの』
『ななこちゃんの来世、篤秀より年上だよ。十歳くらい上』
『マジかよ……つか、なんで?』
『その人の能力のピークが、ななこちゃんがそーゆー力を自由に操れるようになるときに、合わさるように、だよ』
『それ。コラボ? だーよーねー! コラボ相手がレベル低いと、マジやってらんんねーもん』
『うっせーぞ、天野典伍(あまのてんご)ぉ。早く出ろって』
リーダーの各務(かがみ)に押されて、天野はダブルピースでステージに駆けて行った。各務は俺を横目に、ジャンプで出ていく態勢。
『おめえ、ジュゴンだかなんだか知んねーが、俺のアル・ヴェスタ、なめんなよ』
『わーってるっつの。つか、呪禁師!』
娘とその来世を守る仕事も、アイドルも、大事な仕事だ。各務に釘を刺されなくっても、それは自覚してる。
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