カメラ越しの声

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僕には好きな人がいる。 その人はサークルの先輩という、どこにでもありそうな恋である。 でも他の人と違うのは先輩と上手く話せないことである。 僕の声も姿もきっと先輩の目にも耳にも止まらない。 唯一、先輩の目に映るのは先輩が撮影している作品の演者になる時だけだ。 この時だけ。カメラ越しだけど僕を見てくれる。 だから僕は最大限の笑顔をカメラに向ける。 少しでも先輩の心に残るように
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