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「ここ、とろけてるみたい。パクパクしてるよ」
「見るな、馬鹿あっ……」
「ふちのところがちょっと泡立ってる。翠のここ、すごいえっち。……そそる」
「ん! ん、ん、あ!」
舌なめずりしたかと思うと、芳は腰を進めてきた。ゆっくりと、肉の壁をかき分けて入ってきた欲望に、翠の背筋をぞくりと衝撃が撫でる。自然ときゅうきゅうと後孔を締め付けてしまい、気持ちよさが止まらない。
「……あ、きもちぃ……あん……」
「ふふ。素直になってきた」
「ひゃ、あ、あっ、あー、そこ!」
膝裏を押しながら芳が腰を打ち付けるので、時折奥まで届いてあられもない声が漏れた。口を閉じることもできず、揺さぶりのリズムで喘ぎが飛び出す。目を腕で覆ってかろうじて顔を隠しているが、緩んだ口元のせいで翠が感じ入っているのは当然ながらばれているだろう。
「こーら、隠さないで」
「んっ、……あっ、いやぁ、だって」
「顔見せてくれないと、気持ちいいのやめちゃうよ」
「え、あん、やだぁ……」
腕の下でかぶりを振る、甘えるように上ずった声が自分のものとは思えない。芳はぐずつく翠の体に容赦なく腰を打ち付けた。
「んあっ! ……今のぉっ」
「奥を捏ねられるの好き?」
わななく唇のまま必死に頷くが、芳はゆるゆるとした動きで内部を虐めるだけだ。それでも十分気持ちがいいのだが、奥を苦しいくらいにいっぱいにされるのが好きな翠にはもの足りない。
「みーどーり。顔見せて? 気持ちいいって顔を見せてくれたら、もう一回奥突いてあげる」
「んっ、んっ……恥ずかし、い……」
「まだ虐めたりないかな、素直になれないんだもんね?」
そう言うと、芳は浅い場所を何度も何度も擦りあげてくる。時々前立腺をかすめる動きを混ぜられて、翠の手足からはだんだんと力が抜けていった。
あられもない声がベッドのきしみと同じ早さで漏れていく。
「あっ、あっ、んんっ、ああっ……」
快楽のあまり力の入らなくなった腕の片方が、顔を滑り落ちていった。続いてもう片方の腕もあっけなく目元の覆いをなくす。
額から汗を滴らせた芳が、普段は朗らかな表情に隠している犬歯を見せていた。そのサディスティックな笑みに翠の中がきゅうっと反応すると、芳が一瞬だけ息を詰める。
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