542人が本棚に入れています
本棚に追加
投げ出されていた翠の手を掬い、芳に自分の高ぶりを握らされる。先端からとめどなく溢れる液体で濡れそぼって、熱く硬く張り詰めていた。
「先っぽの、一番感じるとことか……」
「ひ! やだ、も、ばかになるぅっ」
「ならないよ。だって翠は……」
――気持ちいいこと大好きなオメガだもんね?
そんな芳の声もろくに聞こえず、翠は全身を痙攣させる。どこもかしこも敏感になって、内部をこする芳の欲望に本当に馬鹿になってしまいそうだ。
止めてほしいと思うけれど、気持ちいいから止めてほしくない。
気持ちよすぎて止めてほしいと思うけれど、もっと気持ちよくなりたい。
いじめてほしい。もっとひどいことをしてほしい。翠の頭の中は、そんなはしたない感情でいっぱいになる。
いいところを突かれるたびに制御を失った体が、芳を搾り取るように締め付ける。芳は内部の抵抗を楽しむように強引に腰を進めてきて、串刺しにされる感じに酔い、また内部を震わせる。 その繰り返しに快楽がどんどん上乗せされていく。
「はあ、あ、あ、イク、イク!」
「……俺もそろそろ、かも」
ラストスパートとばかりに芳の動きが強くなった。太く逞しい欲望が、翠の濡れた媚肉をこじ開けて、熱を点す。
「あ、あ、あーーーーーー!!」
波に浚われるように翠の意識は真っ白になった。芳の先端から迸った熱い飛沫がぬかるんだ後孔を染める。
その晩、それから何回絶頂させられたのか、途中から数えられなかった。
最初のコメントを投稿しよう!