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例えば今日、死ぬと分かっていたら。
死ぬ準備をするのだろうか。
それとも死にたくないと泣き叫び続けるのだろうか。
何にせよ、一日は短すぎる。
ましてや数分、いや、数十秒。
目と鼻の先まで死が迫っていて、覚悟を決めるなど不可能に近いだろう。
彼は震えていた。
谷井 甲、22歳。
これといった取り柄もなく、特技は片手で折り紙の鶴を折るくらい。
走馬灯もなんか素朴というか短い。
終わったのにまだ生きている。
すごい。でも悲しい。
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