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怪人と少女からある程度離れた高台に避難し、甲はほっとため息をつく。
-助かった。
ふと振り返ると、軽やかに空を舞う少女の背中と、怪人が戦っているのが見える。
怪人の手の届かない位置からの攻撃。
合理的かつ安全な、彼女の最善策。
しかしそれが慢心を、油断を産み、隙となったのかもしれない。
怪人が足元の瓦礫を手に取る。
少女は死角になっているのか気が付かない。
危ない、と甲が叫ぶ間もなく。
投げられた瓦礫が、少女にぶち当たる。
はじき飛ばされた少女は、幸か不幸か甲の方角に。
駆ける。バカなことと分かっていても。
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