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もうお母さんを見てるのもイヤだった。
100万入った封筒見て、にやにやして、念書にサインして拇印押してるし。
また、借金作るんだろうなーって、簡単に予想できた。
「はい!…じゃあ明日から仕事しなくていいのね。自由でいいのね?」
にこにこで見てる私がイヤになる。
将高が念書貰って、お母さんに100万渡した。
めちゃくちゃ喜んでた。
「桜、たまには連絡はしなさいよね!…頑張って気に入られてちょうだいよ!」
「バイバイ!お母さん!」
先にお母さんの部屋出た。
後から将高が出てきた。
「………自分で提案したとはいえ、最悪な気分だな」
「……最悪な母親なんだよ」
あの100万は本当に私が貯めてたお金。
最後なら喜んで出してやろうと思った。
将高が出すって言ったけど、このお金だけは私からの『縁切り』として、私が出したかった。
喜んで貰ったお母さん、2度と会わないからね。
将高の車に乗って、なんだか泣くかなって思ってたけど、逆だった。
私がせいせいしてた。
もうお酒お酒って日々は2度とない。
お金がなくなって、お母さんがセックスする姿も見なくていい。
知らないおじさんに襲われる心配もない。
ビックリするほど私がせいせいしてた。
「大丈夫か?」
「せいせいしてる。……私、冷たいのかな?…これでお母さんから離れられたーって、なんかスッキリしてるの」
「……あの母親じゃな」
「逆にありがとうって気分。……母親なのにね」
「俺が側にずっと居るからな」
「…その方が全然嬉しい。……ね、その念書、本当に効力あるの?」
「法的にはなんも効力ねえよ。だけどあの母親なら頭回らんと思ったから……本当にわかってなかったけどな」
「ぶっ、わはははは!」
本当に笑ってしまった。
おもしろ過ぎる!!
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