13話 借金返済

5/8
前へ
/124ページ
次へ
もうお母さんを見てるのもイヤだった。 100万入った封筒見て、にやにやして、念書にサインして拇印押してるし。 また、借金作るんだろうなーって、簡単に予想できた。 「はい!…じゃあ明日から仕事しなくていいのね。自由でいいのね?」 にこにこで見てる私がイヤになる。 将高が念書貰って、お母さんに100万渡した。 めちゃくちゃ喜んでた。 「桜、たまには連絡はしなさいよね!…頑張って気に入られてちょうだいよ!」 「バイバイ!お母さん!」 先にお母さんの部屋出た。 後から将高が出てきた。 「………自分で提案したとはいえ、最悪な気分だな」 「……最悪な母親なんだよ」 あの100万は本当に私が貯めてたお金。 最後なら喜んで出してやろうと思った。 将高が出すって言ったけど、このお金だけは私からの『縁切り』として、私が出したかった。 喜んで貰ったお母さん、2度と会わないからね。 将高の車に乗って、なんだか泣くかなって思ってたけど、逆だった。 私がせいせいしてた。 もうお酒お酒って日々は2度とない。 お金がなくなって、お母さんがセックスする姿も見なくていい。 知らないおじさんに襲われる心配もない。 ビックリするほど私がせいせいしてた。 「大丈夫か?」 「せいせいしてる。……私、冷たいのかな?…これでお母さんから離れられたーって、なんかスッキリしてるの」 「……あの母親じゃな」 「逆にありがとうって気分。……母親なのにね」 「俺が側にずっと居るからな」 「…その方が全然嬉しい。……ね、その念書、本当に効力あるの?」 「法的にはなんも効力ねえよ。だけどあの母親なら頭回らんと思ったから……本当にわかってなかったけどな」 「ぶっ、わはははは!」 本当に笑ってしまった。 おもしろ過ぎる!!
/124ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1024人が本棚に入れています
本棚に追加