1023人が本棚に入れています
本棚に追加
ある日学校から帰ったら、知らない男の人がいた。
男の人がいるのは珍しいことじゃないけど、いつもは部屋でセックスしてるのに、その人、台所前の小さいテーブルにいた。
なんかお母さんと話してる。
うちは小さい2K。
私はその人に頭下げて自分の部屋もどきに行こうとした。
お母さんに呼び止められた。
「ほら、ね、うちは年頃の娘もいるから」
「ふん、で、お金にさせるのか?」
「居なくなると児童手当もらえなくて困るから、貸し出すわ!どう?」
「……児童手当なんて数ヵ月に10万程度だろうがよ。500万、どうやって返すんだよ?」
「………まあ、私もまだ風俗で働けるし、娘もやらせればなんとか……」
なんだか意味わかんないけど、お母さん、この人に借金してるのはわかった。
金額は500万近く。
で、私と風俗して返すつもり。………まあ、そんなとこだろう。
取り立てに来たって事はずっと返済してないんだろうな。
その男の人、なんか電話かけてた。
それでお母さんに
「あんたはもううちの知り合いの風俗行って貰うからな。娘はまだ18未満だろう?…うちが貰って行くから、とりあえずそれでいいな」
お母さん、項垂れて
「もう、それしかダメよね……わかりました」
って、返事した。
あのさ、私が意味わかんないんだけど、私、どこかで働かされるのかなあ?
なんだか知らないうちに荷物まとめさせられて、私とお母さん、男の人の車に乗せられた。
何してんのかな、このろくでもないお母さんは。
私とお母さん、あるビルの前で降ろされて、ビルの中に入った。
ビルの中、こじんまりとしてるけど、会社みたいな感じで、その男の人に連れられて奥の扉をノックした。
最初のコメントを投稿しよう!