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「私よ。口止めに誘ったのが始まり。…だけど赤井さんが本気だと知って、『薬やめろ!赤井のとこに戻れ!』とかうるさいから、早川さんと赤井さんを離したくて『早川さんが私に気があって体求めてきた』って言ったの。……あんな喧嘩になると思わなかったなあ」
「…………本当か?」
「今更嘘言ってもしょうがないじゃん。まあ、早川さん、いい人過ぎ。…赤井さんは全部信じちゃうし」
由美さん、話ながらクスクス笑ってた。
腹立った。めちゃくちゃ腹立った。
それ、私だけじゃなかった。
もの凄い音だった。
赤井さんが由美さんを倒れるくらい、ひっぱたいた。
「………痛いなあ!!しょうがないじゃん!……早川さん『薬やめろ!赤井のとこ戻れ!』ってうるさいんだもん!赤井さんの側に居て欲しくなかったんだもん!」
「………なんで、こんな女、本気で好きだったんだ。情ね……」
全部、由美さんが薬欲しさに仕組んだ事だった。
赤井さん立ち上がって、テツってイカツイ人に
「もう放り出せ!…薬もやらすな!…命令だ!!」
と、怒鳴った。
「は、はい!!」
「……い、今更じゃん!もう仲良しでしょ?!…薬、お願いよ!!追い出さないで!!自分のお金なんかもうないよ!!!」
「………桜ちゃん、行こう」
「あ、うん」
赤井さんに促されて、部屋を出た。
由美さんが喚いていたけど、興奮して何言ってるのかわかんなかった。
帰りの車の中、赤井さん何も言わない。
私も言わない。ってか、あまりにあまり過ぎだ。
由美さんへの怒りで溢れそうだった。
将高、バカだ。
1人で全部抱え込んで、自分だけが悪者になって、……いくらなんでも酷すぎる。
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