嘘だらけの金曜日が。

ファイルをパラパラめくる。
中には、企画書が入っていた。

小林が話していたのが、小林は山田太郎さんと共同でロボット開発をしているそうだ。
たしかに、企画書にはふたりの名前が書いてあった。

しかし……
それは本当に数年間のことだった。

途中から「山田太郎」の名前が消え、
それからは、ずっと小林ひとりが企画を進めている感じだった。

なんでだろう……？
異動とか……退職とかしたのかな……？
でも、小林はそんなことひとことも言ってなかった。

読み進めていくほど、企画書はより詳しく、より現実味を帯びた形になっていった。

最後のページを開くと、新聞の切り抜きが挟んであった。日付はつい先月のもので、いま世間を賑わせている災害救助ロボットに関する記事だった。写真の中央には、凛々しい最新ロボットが写っており、その横で小林が微笑んでいた。