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最後の出勤日は、悲しいくらいいつも通りで、今日開かれた「送別会」は、ただの「飲み会」と化していた。
誰からも声をかけられない。「今までお疲れ様」とか……そういうひとこともない。
誰も、来週から僕がいないことを気にしてないんだ。
いや……最初から僕のことに興味がある人なんていなかったんだろうな。
そんだけ存在感を出せなかった僕が悪いのか……?
送別会の主役は、そんなことを考えながら置物のごとくじっと耐えていた。
そうして、二時間に及ぶ「飲み会」がやっと終わり、早々と帰路につこうとしていた。
そのとき、自分を呼ぶ声が聞こえた。
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