第1章

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安心していいんだよと旦那さんが僕に言った。やっと見つけた安息。これで僕はゆっくりと眠れるんだと思った。 「ありがとう…ありがとうございます…。僕はもうあそこに帰らなくていいんだよね…?」 「そうだよ。純は私達の子供になったんだよ。」 「ああ、嬉しいわ。あなた、私達、親になったのよね。坊や、永遠に大切にすると誓うわ。」 僕を大切にすると言ってくれた二人は、僕の親になってくれたんだ。すごい。嬉しくて嬉しくて泣けてきた。 「純。今まで辛い思いをしてきたんだね。これからは大丈夫だ。私達が大切にするよ。楽しく暮らそう。」 旦那さんが僕を抱きしめて優しい言葉を言ってくれた。僕は泣きながら頷いた。奥さんは僕が泣くと一緒に泣いてしまう優しくて可愛らしい人。 「今日はゆっくりしておこう。純、これからは気を使わないで話してくれるかい?私達は親子になったんだ。子供らしくわがまま言っておくれ。いいね?」 「は…うん。わかった。僕、なんて呼んだらいい?おとうさんとおかあさんて呼んでもいいの?」 「まあ、私、おかあさんて呼ばれたいわ。」 「そうだね。私もおとうさんと呼ばれたいな。何だかくすぐったいね。」 「おとうさん…おかあさん…これからよろしくお願いします。」 「ああ。よろしく。私達の息子は礼儀正しいね。」 「なんていい子なの、ええ、よろしくね。私の坊や。」 おとうさんとおかあさんが僕を抱きしめる。家族だ。ロウソクの灯に照らされて、僕達は親子になった。
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