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僕の部屋を用意してくれた。ふかふかのベッド、それから洋服も必要な物は全部揃えてくれた。夢のようだ。嬉しくて有りがたくて、いくら感謝してもしたりない。
「純。出かけるよ。準備は出来たかい?」
あれから、どんな手続きをして、園長先生がどういう反応をしたのか経過はわからないけど、僕は龍崎の養子になった。
「おとうさん。どこに行くの?」
「くすっ。坊やったら。ワクワクしているのかしら?」
家族で出かけるのが嬉しくて堪らなかった。何度繰り返しても嬉しくて堪らない。みんなで一緒に楽しい時間を共有出来る事に感謝した。
それから暫くして、出かけた先で信じられない光景を見た。僕がいた施設は黄色のテープが張られて立入禁止になっている。何かあったの?
「ねぇ…おとうさん。おかあさん。あれは…なに?」
「純。今日は園長先生を迎えに来たんだよ。いいかい?純は私達の子供だよ。私達は純を大切に思っている。何が起こっても私達と一緒だ。わかったね?」
「うん。僕、おとうさんとおかあさんが居れば何もいらないよ。」
「いい子ね。私達も同じよ。本当になんて愛おしいのかしら。ここにいらっしゃい、坊や。」
おかあさんは僕を抱きしめるとおとうさんを見て頷いた。おとうさんが園長先生を迎えに来たと言った時に、これから何が起きるのか僕には想像がついたんだ。
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