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この人達はいい人だ。もし、悪い人でもあそこよりはマシだ。そう思った。
「どうして…そんなに親切にしてくれるんですか?」
「私達はね、困っている人がいたら迷わず助ける。酷い人は許せない質なんだよ。地下室に酷い事をした人間がいる。一緒に来るかい?それを見てから、私達の子供になるか決めた方がいい。純が感じたままに決めるんだよ。いいかい?」
「そうね。じゃあ、一緒に行きましょう。いらっしゃい、こっちよ。」
何だか、よくわからないけど、さっきの場所に行くらしい。ドキドキしてきた。何をするんだろう。地下室の厚いドアを開けて中に入ると、呻き声が聞こえた。
奥に行くと、大きな台の上に両手足を固定されている人がいた。
その人は役所の職員で相談窓口を担当しているそうだ。この意地の悪そうな顔をしたおじさんは、相談に来た何人もの人を傷つけて死に追いやった罪人なんだと教えてくれた。困って相談に来た人を追い詰める、その苦痛を味わった人達の願いがこのおじさんの抹殺だと言う旦那さんの顔を僕はじっと見ていた。
「坊や。怖かったら、そこのドアを開けて外に出なさいね。」
「じゃあ、始めるよ。」
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