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猿ぐつわをされているおじさんは目を見開いて、何か言っている。でも、何を言っているのか、ウゥゥとしか聞こえない。このおじさんは酷い人なんだ。人を傷つけても社会的に罰せられる事はない。でも、このおじさんのせいで死んだ人がいる…それは許せないと僕も思った。
この渋くてカッコいい旦那さんと綺麗でエレガントな奥さんが、これから何をするのか、驚く事に僕は落ち着いて見ていたんだ。
「さあ、続きをしよう。待たせたね。小向さん。」
旦那さんはおじさんの口を縛ってあった布を外した。
「ハァハァ…止めろ!これを外せ!お前達はイカれてるのか!」
おじさんは息を荒くして旦那さんと奥さんに怒鳴った。その怒鳴り声にビクッとする。
「小向さん、あなたご自分の立場がおわかりになってらっしゃらないようね。下品に騒ぐのはやめてくださらない?坊やが怯えるわ。」
「な、何をするつもりだ!」
「あなたの行いをあなたにお返しするんですよ、小向さん。あなたはこれから苦痛を味わいやがて死に至るんですよ。」
「や、やめてくれ!何が望みだ!何でもくれてやる!だからやめてくれ!」
「これは、あなたが傷つけた人達の望みなのですよ。私と妻はその望みを叶えてやれる。」
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