半月

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半月

「私の半分は欠けちゃったから」 そう言って笑うあなたの半分は、どこにあるのだろう。 身体をいくら繋げても、あなたの半分は手に入らない。 眠るあなた越しに窓枠から見えるのは、 夜更けの空高く、すぱりと切り取られた月。 片割れを探すようにもどかしげな半分の月が、 見ている。
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